こんにちは。カナエです。今回はエディ・レッドメインが熱演した映画「リリーのすべて」をご紹介します。
映画「リリーのすべて」で女性になっていく夫を見守る妻の心中は…
映画データ
製作年 2015年 英、米、独映画
監督 トム・フーパー
原題 The Danish Girl
原作 デビッド・エバーショフ
脚本 ルシンダ・コクソン
キャスト エディ・レッドメイン、アリシア・ビカンダー、アンバー・ハード他
映画のあらすじ(ネタバレ)
1920年代のデンマーク、コペンハーゲン。
風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は画家として成功し順調な人生を送っていました。肖像画を描く妻のゲルダ(アリシア・ビカンダー)の方は売れない画家でしたが愛しあっている二人は仲良く暮らしていました。

<画像出典>https://eiga.com/movie/82988/gallery/
ゲルダは肖像画のモデルを友人のウラ(アンバー・ハード)に頼んでいましたが、彼女が来れない時は夫のアイナーに代わりをして貰っていました。アイナーはタイツを履いてドレスを抱えたポーズをとっているとまるで自分が女性になったように思えるのでした。

<画像出典>https://eiga.com/movie/82988/gallery/
ある晩ベッドに横たわるアイナーが自分の寝間着を着ているのがわかるとゲルダはその姿を描きます。
アイナーは女装に興味を持っている・・
ゲルダは悪戯心からアイナーを女装させて舞踏会に出席し、アイナー・ヴェイナーの従妹、リリー・エルベとして仲間に紹介しました。
リリーとなったアイナーは不思議な開放感を感じます。サンダールという男に話しかけられたアイナーは人気のない場所でキスをされますが、鼻血を出してしまいゲルダと一緒に舞踏会を抜け出しました。

<画像出典>https://eiga.com/movie/82988/gallery/
それからはリリーという女性になりたくてたまらなくなってしまったアイナーはゲルダに隠れて女装するようになっていきます。アイナーの様子が気がかりなゲルダですが、リリーを描いた絵の方は売れるようになりパリでの個展の話も舞い込みました。
けれどアイナーから女装して男性と会っていると告げられショックを受けたゲルダはアイナーを病院につれて行きます。愛するゲルダのために普通の男に戻ろうと診療を受けるアイナーですが医者たちの診断はアイナーは精神病で性的倒錯者であるという冷たいものでした。
失意のアイナーをゲルダはパリにつれて行きますが、知り合いのいない気楽なパリでの生活でアイナーは完全にリリーとなってしまい男性のアイナーは姿を消してしまいました。
夫の面影の無くなったリリーを見て寂しい思いを募らせるゲルダ・・。
皮肉にも個展の方は好評で賑わっていました。ゲルダはハンスという画商がアイナーの幼馴染で、キスをして親から怒られた初恋の相手だと知ると夫と再会させようとします。昔なじみと会うことでアイナーに戻るのを期待したゲルダですがアイナーはリリーの姿になってハンスと会うのでした。

<画像出典>https://eiga.com/movie/82988/gallery/
アイナーはもはや完全に女性のリリーでした。夫と話がしたいと懇願するゲルダにもう戻れないと拒否するリリー。それでもゲルダを愛しているリリーは病院に行きますが相変わらず成果は得られません。もう医者は嫌!というリリーに最後の一人としてゲルダが紹介した医者はリリーに性転換手術を提案したのでした。
手術を受ければ完全に女性となってもう夫ではいられない・・
それでも女性として生きることの望むリリーにゲルダは同意しました。自分のスカーフをリリーに贈って二人は別れます。
ドレスデンでまだ誰も受けたことのない難しい手術を受けたリリー。術後高熱に浮かされるリリーのもとに見舞いにきたゲルダとハンス。ハンスはゲルダに恋心を伝えていましたがゲルダはやはりリリーを心配していました。そしてリリーの方もゲルダといることで容体が安定し回復するのでした。デンマークに戻ろうと言うリリーにゲルダは頷きます。
母国に帰ったリリーは絵を描くことをやめデパートガールとして働きだしました。術後薬を飲まなくてならないリリーでしたが、完全な女性になるためにはもう一回手術をしなければなりません。“母性”が欲しいリリーはドレスデンに行って手術を受けると言います。まだ時期が早いとゲルダは止めますがリリーは聞き入れません。
リリーに請われてゲルダも一緒にドレスデンに行く事になりました。手術後出血がひどいリリーは衰弱していきます。ハンスも見舞いにやって来ましたがリリーはゲルダの傍で息を引き取るのでした・・。
リリーの死後ゲルダとハンスは画家であったアイナー(リリー)の故郷を訪れ彼が何度も描いていた風景を眺めました。ゲルダの手からリリーに贈ったスカーフが強風に舞って曇り空に上がっていきます。それはアイナーの魂のように自分の故郷の空をひらひらと飛び続けるのでした・・。
リリー・エルベという人物
<実際のリリー・エルベ>
<画像出典>https://ja.wikipedia.org/wiki/
この映画で描かれたリリー・エルベ(1882年12月28日 ~1931年9月13日)は、デンマークの画家、イラストレーターで、世界で初めて男性から女性への適合手術を受けた人です。
Wikipediaでみるとだいたい映画通りの人生のようでした。出生名はアイナー・モーウンス・ヴィーグナーで手術後にリリー・エルベと名乗っています。
女装のきっかけは妻ゲルダの絵のモデルをやったことで自分の中にある“女性”に気づいたんでしょうね。精神的に女性になることでは満足せず肉体的にも完全な女性になるために実際は5度の手術を行ったそうです。
50歳前で亡くなったのですがそこはリリーを演じたエディ・レッドメインと少し年齢差があるかな。どうしても女性になりたかったリリー・・その勇気に感服しつつもその運命に哀しみを感じます。
映画の感想
ゲルダの夫であることを捨てても女性になりたかったリリー。

<画像出典>https://eiga.com/movie/82988/gallery/
それは子供時代から女性でありたいと思いながらずっと我慢して男性として生きてきたアイナーの切なる願いだったのでしょう。
そして妻のゲルダは愛する夫の望みを叶えてあげたかった。本当は自分は夫としてのアイナーともう一度暮らしたかったけれどリリーを見ていると無理だとわかったし、自分のために十分苦しんでくれた夫を見てなんとかしてあげたいと思った。・・ゲルダはそれほど深く夫を愛していたんですね。
最後まで傍につき添うゲルダにリリーが言った言葉・・。
私にはそんなに愛される価値がないわ・・
夫であることより自分の願いを優先してしまった・・リリーの謝罪には夫としてのふがいなさやゲルダの献身への申し訳ない想い、そして愛が感じられてせつないです😢。
性を越えて最後まで寄り添った二人はまさに究極の夫婦と呼ぶべきでしょうし、(実際のゲルダの人生でも)ゲルダは本当に情の厚い女性だったんだなあ、とつくづく感服しました。
そしてエディ・レッドメインは表情からしぐさまでまさに女性!でした。観ている側にこれでは男としてやっていけないだろう、と言葉がなくても納得させる演技をしていてすごかったです。アイナーの時は内気で自信無げだったのに、リリーになると眼差しも強くいきいきとしています。これが本当の私!と言わんばかり。
ゲルダはアイナーとの出会いのときにまるで自分を見たようだったと言っていました。アイナーの中の女性”リリー”はゲルダの分身みたいなもので、ゲルダが最後までリリーに付き添ったのはリリーを姉妹のように親しく感じたという一面もあったのかもしれませんね。
ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーはこの映画でアカデミー賞・助演女優賞を受賞しています。


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